2013-01-01から1年間の記事一覧

内村鑑三 マタイ伝51ーⅢ講 馬太伝第十三章の研究-3

51-Ⅲ マタイ伝-3 馬太伝第十三章の研究 大正6年2月10日・4月10日 『聖書之研究』199・201号 署名内村鑑三 注意、読者は此篇を読む前に本文を両三回精読するを要す ○ルーテルの聖書発見に由て地は一変した、然し乍ら教会は今尚〔なお〕聖書を蔵(かく)さん…

内村鑑三 マタイ伝 51ー2講馬太伝第十三章の研究-2

51-2 マタイ伝-2 馬太伝第十三章の研究 大正6年2月10日・4月10日 『聖書之研究』199・201号 署名内村鑑三 注意、読者は此篇を読む前に本文を両三回精読するを要す 読者に勧む、此篇を読む前に再び聖書の本文を精読し、併〔あわ〕せて上篇を通読して前後の聯…

内村鑑三 マタイ伝 51講-1馬太伝第十三章の研究

51-1 マタイ伝-1 馬太伝第十三章の研究 大正6年2月10日・4月10日 『聖書之研究』199・201号 署名内村鑑三 注意、読者は此篇を読む前に本文を両三回精読するを要す ○馬太〔マタイ〕伝十三章は主としてイエスの語り給ひし七個(ななつ)の比喩談(たとえばな…

内村鑑三 マタイ伝 50講 赦さるべからざる罪

50 マタイ伝 赦さるべからざる罪 明治34年6月20日『聖書之研究』10号「思想」 署名内村鑑三 人々の凡て犯す所の罪と神を涜〔けが〕すことは赦されん、然れど人々の聖霊を涜〔けが〕すことは赦さるべからず、言を以て人の子に背く者は赦さるべし、然れど言を…

内村鑑三マタイ伝 49講 平安獲得の途

49 マタイ伝 平安獲得の途 (カルト教会から脱出の方) 明治42年11月10日 『聖書之研究』114号「講演」 署名内村鑑三 十月十三日東京青山なる監督ハリス氏宅に於て故ハリス夫人紀念のために開かれたる美以教会信徒組会に臨み其席上に於て述べし者の大略なり…

内村鑑三  人生の目的

人生の目的 明治43年6月10日『聖書之研究』120号 署名なし 人生の目的は神を識るにあり、一度(たび)神に愛せらるゝは百度帝王に寵せられ、千度公衆の人望を博するに勝る、 一度(たび)神の聖顔を拝せんがために終生を悲痛の中に過すも可なり、天国の一瞥〔…

内村鑑三 マタイ伝 48講 「我に来れよ」

48 マタイ伝 「我に来れよ」 明治43年6月10日『聖書之研究』120号 署名なし 我に来れよ、すべて労する者又重荷を負ふ者よ、我れ汝等を息(やす)ません、汝等己れに我が軛(くびき)を取れよ、而〔しか〕して我に学べよ、我は柔和にして心に謙遜(へりくだ)る…

内村鑑三 マタイ伝 47講 信仰表白の必要

47 マタイ伝 信仰表白の必要 (二月七日、今井館に於て) 明治42年3月10日『聖書之研究』107号「講演」 署名なし 凡〔およ〕そ人の前に我を識ると言はん者を我も亦〔また〕天に在〔いま〕す我父の前に之を識ると言はん、人の前に我を識らずと言はん者を我も亦天…

内村鑑三 マタイ伝 46講 キリストの表白

46 マタイ伝 キリストの表白 五月廿七日角筈自宅に於て 明治39年6月10日 『聖書之研究』76号「講演」 署名なし 凡そ人の前に我を識ると言はん者を我も亦〔また〕天に在す我父の前に之を識ると言はん、人の前に我を識らずと言はん者を我も亦天に在〔いま〕す我…

内村鑑三 マタイ伝 45講 信仰告白の必要

45 マタイ伝 信仰告白の必要 昭和5年1月10日 『聖書之研究』354号 署名内村鑑三 然〔さ〕れば凡〔およ〕そ人の前に我を言ひ顕はす者を我も亦〔また〕天に在〔い〕ます我父の前にて言〔い〕ひ顕はさん(マタイ伝十章三十二節)。 それ人は心に信じて義とせられ…

内村鑑三 マタイ伝 44講 隠顕の理

隠顕の理 掩はれて露はれざる者なく、隠れて知られざる者なし(馬太(マタイ)伝十章廿六節)。 隠れて明瞭にならざるはなく、蔵みて露はれざる者はなし(馬可伝四章廿二節、路加(ルカ)伝八章十七節)。 ○是は普通審判(さばき)の言葉として受取らる、隠(かく…

内村鑑三 基督者の徽章

キリスト信仰の神髄此処にあり。 〔基督者の徽章他〕 大正11年6月10日 『聖書之研究』263号 署名なし 基督者の徽章 ○「イエス曰ひけるは……汝等もし互に相愛せば之に由りて人々汝等の我が弟子なることを知るべし」(約翰(ヨハネ)伝十三章三五節)、 ヨハネ13:3…

内村鑑三 無宗教無教会

無宗教無教会 ○私の基督教は宗教でない、私の集会は教会でない。さう聞いて多くの人は不思議に思ふであらうが、決して不思議でない。イエスの教は決して宗教でなかつた。彼がパリサイの徒と闘ひ給ひしは宗教と闘ひ給うたのである。 天の父が完全〔まつた〕き…

内村鑑三 マタイ伝 43講  世の讒謗と天国の希望

43 マタイ伝 課題〔「基督者が世の人より受くる讒謗馬太伝十章二十四―二十六節」〕 14 明治40年9月10日『聖書之研究』91号「雑録」 署名なし 基督者が世の人より受くる讒謗馬太〔マタイ〕伝十章二十四―二十六節 意義明瞭なり、別に註釈を要せず、「ベルゼブル…

内村鑑三 マタイ伝 42講 無抵抗主義の根拠

42 マタイ伝 無抵抗主義の根拠 (五月十九日角筈に於て) 明治40年8月10.日『聖書之研究』90号「座談」 署名なし われ爾曹〔なんじら〕を遣すは羊を狼の中に入るゝが如し故に蛇の如く智(さと)く鴿(はと)の如く馴良(おとなし)かれ。……この邑〔むら〕にて人な…

内村鑑三 マタイ伝 41講 祈祷の効力(2)

41 マタイ伝 祈祷の効力 昭和2年12月10日 『聖書之研究』329号 署名内村鑑三 ○祈祷は聴かるゝか聴かれない乎〔か〕。若〔も〕し聴かるゝならば此〔こ〕んな有難い事はない、若し聴かれないならば此んな心(こゝろ)細(ぼそ)い事はない。祈祷の効力如何〔い…

内村鑑三 マタイ伝 40講 祈祷の効力

40 マタイ伝 祈祷の効力 馬太伝七章七―十二節の研究三月廿二日柏木聖書講堂に於て為せる講演の要点 大正3年5月10日 『聖書之研究』166号 署名内村鑑三 イエスの宣(のべ)たまひし天国の律法(おきて)はモーセに由りて伝はりし旧約の律法よりも遥(はるか)に…

内村鑑三 マタイ伝 39講 悪の処分

39 マタイ伝 悪の処分 馬太伝六章三十四節より七章六節までの研究三月十五日今井館附属柏木聖書講堂に於て 大正3年5月10日『聖書之研究』166号 署名内村鑑三 一日の苦労 神が我等に賜ふ善に疆(かぎり)なきが如くに、亦(また)我等に臨む悪にも疆(かぎり)…

内村鑑三 マタイ伝 38講 神の国と其義

38 マタイ伝 神の国と其義 明治44年9月10日 『聖書之研究』134号 署名なし 汝等先づ神の国と其義とを求めよ、然らば此等の物は皆な汝等に加へらるべし。馬太〔マタイ〕伝六章三十三節。 神の国とは信者が神の名を以て自己の努力に由て地上に建設せんとする理…

内村鑑三 マタイ伝 37講 マタイ伝六章三十三節

37 マタイ伝 馬太伝六章三十三節 大正2年7月10日『聖書之研究』156号 署名内村鑑三 汝ら先〔ま〕づ神の国と其義(ただしき)とを求めよ、然らば此らのものは皆な汝らに加へらるべし。 「先づ」 先づ第一に、何よりも先きに、主(しゅ)として。 「神の国」 神…

義を求めよ

レビ記 5:1 人が罪を犯す場合、すなわち、証言しなければのろわれるという声を聞きながら――彼がそれを見ているとか、知っている証人であるのに――、そのことについて証言しないなら、その人は罪の咎を負わなければならない。 人の罪を見ていながら、見ぬ振りを…

内村鑑三 マタイ伝 36講 生活問題の解決

36 マタイ伝 生活問題の解決 (八月二十三日鳴浜村に於て) 明治41年9月10日『聖書之研究』102号「小釈」 署名なし 汝等何を食ひ、何を飲み、何を衣〔き〕んとて思慮(おもひわづら)ふ勿〔なか〕れ、是れ皆な異邦人の求むる者なり、汝等の天の父は凡〔すべ〕て此…

内村鑑三 マタイ伝 35講 目の善悪

35 マタイ伝 11月24日は74回目の誕生日に家族で食事会、最も勘定はこっちが持つのですが。 孫が大きくなって、子供のいない(可愛げのない)家族です。 馬太伝六章廿二―廿四節、希臘(ギリシャ)語のハプルースとポネーロスとの研究、「山上の垂訓」の…

内村鑑三 マタイ伝 34講 金の価値

34 マタイ伝 金の価値 昭和2年12月10日『聖書之研究』329号 署名内村鑑三 馬太〔マタイ〕伝六章一九―二一節○路加〔ルカ〕伝十六章一―九節○同十二章十三節以下 ○金は決して無価値のものでない。金銭の無価値を唱ふる人に対しフランクリンの曰〔い〕うた言〔こ…

内村鑑三 マタイ伝 33講 信者と蓄財

33 マタイ伝 信者と蓄財 三月八日、今井舘附属柏木聖書講堂に於ける講演の一部分 大正3年5月10日 『聖書之研究』166号 署名なし 信者は財産を作つてはならない乎? 貧(ひん)は彼が択(えら)んで居るべき境遇である乎? 蓄財(ちくざい)は彼に取り罪悪であ…

内村鑑三 マタイ伝 32講 再臨信者の祈祷として見たる主の祈祷

32マタイ伝 再臨信者の祈祷として見たる主の祈祷 馬太伝六章九―十三節研究(五月十九日大阪天満基督教会に於ける講演の一部) 大正7年6月10日『聖書之研究』215号 署名内村鑑三 ○主の祈祷は基督信者の祈祷の模範であつて彼が毎日繰返(くりかえ)す所の者であ…

内村鑑三 マタイ伝 32講(31講ーその2)主祷の一節 (2)

32 マタイ伝―(31講-その2) 主祷の一節 (2) 明治40年11月10日『聖書之研究』93号「研究」 署名内村鑑三 「我儕を試誘に陥(おちいら)しめず、悪魔より拯出し給へ」と、然し原語の聖書に於ては二句の間にalla なる接続詞が加へてある、日本訳には除いて…

内村鑑三 マタイ伝 31講-その1

31 マタイ伝-その1 主祷の一節 (1) 31 マタイ伝-その1 主祷の一節 (1) 明治40年11月10日『聖書之研究』93号「研究」 署名内村鑑三 われらをこころみにあわせず、悪より救出(すくいだし)し給へ、国と権(ちから)と栄はかぎりなく爾〔なんじ〕の有なれ…

内村鑑三 マタイ伝 30講

30 マタイ伝 主の祈祷と其解釈―その2 (六月十五、廿二日) 大正8年9月10日『聖書之研究』230号 署名内村鑑三 述 藤井武 筆記 以上は過去の罪である、然しながら罪は後にあり又前にある、我等の前に当りて我等を罪に陥れんとする幾多の試探がある、故に「我等…

内村鑑三 マタイ伝 29講

29 マタイ伝 主の祈祷と其解釈―その1 (六月十五、廿二日) 大正8年9月10日『聖書之研究』230号 署名内村鑑三 述 藤井武 筆記 「主の祈祷」は基督者の何人も口にする所である、世界に知られたる語として斯の如〔ごと〕きはない、其の人類の歴史に及ぼせし感化…