2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

内村鑑三 マタイ伝 18講

18マタイ伝 最大幸福・心霊の貧 大正3年3月10日『聖書之研究』164号 署名内村鑑三 二月八日柏木聖書講堂に於て為せる講演の一部分 心の貧(まず)しき者は福(さいわい)ひなり、天国は即ち其人の有(もの)なれば也。馬太〔マタイ〕伝五章三節 是を原語の通…

内村鑑三 マタイ伝 17講

17マタイ伝 第四日第二回夏期講談会に於て読まれし聖書の部分並に其略註 馬太〔マタイ〕伝第五章三節より十二節まで 心の貧きものは福(さいはい)なり、天国は即ち其人の有(もの)なれば也。 哀〔かなし〕む者は福なり、其人は安慰(なぐさめ)を得べけれ…

内村鑑三 マタイ伝 16講; 補講

16講 七福の解のための「馬太伝に現はれたる基督の再来」 (二月十日神田青年会館に於て) 大正7年3月10日『聖書之研究』212号 署名内村鑑三述藤井武筆記 余はクリスチヤンとなりてより四十年後の今日程思想の充溢を覚えたる時はない、此頃自分乍〔なが〕ら何…

内村鑑三 マタイ伝 16講

16マタイ伝 七福の解 大正7年3月10日『聖書之研究』212号 署名内村鑑三〔本巻八九頁〕 別稿「馬太〔マタイ〕伝に現はれたる基督の再来」の増補として読まれたし。 馬太伝五章山上之垂訓発端の言辞(ことば)は左の如くに配列して見て其意味が一層明瞭になる…

内村鑑三 マタイ伝 15講

マタイ伝15講 美訓と其註解 明治32年5月5日 『東京独立雑誌』30号「講壇」 署名内村鑑三 美訓(Beatitudes)は基督教聖書(バイブル)馬太〔マタイ〕伝第五章に載する耶蘇の言にして、実に西洋倫理の基礎とし称せらるゝものなり、茲〔ここ〕に余の自訳并〔なら…

内村鑑三 マタイ伝14講-その4

馬太伝第五章-4 明治39年11月10日― 40年1月10日 『聖書之研究』81・82・83号「研究」 署名内村鑑三 4マタイ伝 ○善行を以て自己を世に示さんとする勿れ、世に基督信者の模範を供せんとて焦慮(あせ)る勿れ、そは斯く為して神の聖旨に適〔かな〕ふ善行を為…

内村鑑三 マタイ伝14講ーその3

馬太伝第五章-3 明治39年11月10日― 40年1月10日 『聖書之研究』81・82・83号「研究」 署名内村鑑三 3マタイ伝5章 ○「そは汝等より前の予言者をも如此せめたりき」彼等は……窘〔はずか〕しめたれば也、彼等不信者は今汝等を窘〔はずか〕しむるが如く、汝等よ…

内村鑑三 マタイ伝14講-その2

馬太伝第五章-2 明治39年11月10日― 40年1月10日 『聖書之研究』81・82・83号「研究」 署名内村鑑三 2マタイ伝5章 矜恤(あはれみ)ある者は福なり、其人は矜恤(あはれみ)を得べければ也。(7) 「矜恤〔あわれ〕ある者」憐む者、人の困苦に在るを視て之を…

内村鑑三 マタイ伝14講-その1

マタイ伝5章-1 14講マタイ伝5章(14講は長文のため、4分割して掲載します。) 馬太伝第五章 明治39年11月10日― 40年1月10日 『聖書之研究』81・82・83号「研究」 署名内村鑑三 イエス許 多(おおくの)の人を見て山に登り坐し給ひければ弟子等も其下に来れ…

内村鑑三 マタイ伝13講-2

13講 山上の垂訓に就て-2 取除くべき三個の誤解二月一日柏木聖書講堂に於て為せる講演の大意 大正3年3月10日『聖書之研究』164号 署名内村鑑三 犬に聖物(きよきもの)を与ふる勿〔なか〕れ、又豚の前に汝等の真珠を投与(なげあた)ふる勿れ、恐らくは彼…

内村鑑三 マタイ伝 13講-1

13講 山上の垂訓に就て 取除くべき三個の誤解二月一日柏木聖書講堂に於て為せる講演の大意 大正3年3月10日『聖書之研究』164号 署名内村鑑三 山上の垂訓(すいくん)を能く理解するために三(みつ)個の誤解(ごかい)を取除くの必要がある。其第一は名称…

内村鑑三 マタイ伝 12講

12 講 イエスの受洗と其意義 馬太伝二〔三〕章十三―十七節 明治40年3月10日『聖書之研究』85号「研究」 署名 内村鑑三 イエスは洗礼をバプテスマのヨハネより受け給へり、是れ抑々〔そもそも〕何のためなりしか、彼に洗ふべき罪のなかりしは明かなり、故にヨ…

内村鑑三 マタイ伝11講その2

11講 王の誕生 その2 大正3年12月10日 『聖書之研究』173号 署名内村鑑三 馬太(マタイ)伝二章一―十二節 博士等夢に「ヘロデに還る勿れ」との黙示(つげ)に接しければ他(ほか)の道より其国に帰れりとある、神命、王命よりも重しである、真理は伝説より…

内村鑑三 マタイ伝11講ーその1

11講 王の誕生 その1 大正3年12月10日 『聖書之研究』173号 署名内村鑑三 馬太(マタイ)伝二章一―十二節 それイエスはヘロデ王の時ユダヤのベツレヘムに生れ給ひしが、其時博士等(はかせたち)東方(ひがしのかた)よりヱルサレムに来りて曰〔い〕ひける…