2014-01-01から1年間の記事一覧

一日一生 12月28日(日) 赦し

内村鑑三 続一日一生 12月28日 ルカ6:37 さばいてはいけません。そうすれば、自分もさばかれません。人を罪に定めてはいけません。そうすれば、自分も罪に定められません。赦しなさい。そうすれば、自分も赦されます。 ゆるし得んがために祈るべきである。ま…

内村鑑三 一日一生 誤解と疑察

誤解と疑察 明治33年9月30日 『聖書之研究』1号「雑感」 署名なし 誤解に誤解に誤解に誤解、国は国を誤解し、政府は政府を誤解し、父は子を誤解し子は父を誤解し、兄弟相誤解し、友人相誤解し、此美はしき宇宙に棲息しながら誤解の暗霧の中に彷徨して憂愁の中…

内村鑑三 一日一生 心霊的結合体

心霊的結合体* 「教会、すなわちキリストイエスにありて潔められ、召されて聖徒となりし者」、 教会とはかくの如き者なり、これ自薦信者の集合体にはあらざるなり。これ神に潔められし者、また神の選択によって神に召されて聖徒たるを得し者の心霊的結合体た…

内村鑑三「一日一生」 教会と信仰

内村鑑三「一日一生」 教会と信仰 教会は信仰を作らず、信仰は教会を作る。 教会を作らんと焦る者の教会は衰え、信仰を説くの熱心より教会のことを顧みるいとまなき者の教会は盛んなり。 これ真理なり、また事実なり。門前に鳥網を張る多くの衰微せる教会は、…

老年の祝福

老年の祝福 大正15年11月10日 『聖書之研究』316号 内村鑑三 老は老耄、老いぼれることではない。老熟、すなわち人生に熟練することである。長く神に導かれた経験からくるものである。信者はこの経験を持って神に仕え、人にも仕えねばならない。これに勝る幸…

内村鑑三 創世記 洪水以前 エデンの園(上)

4.エデンの園(上)〔創世記第二章第四節―第一四節〕 四、ヱホバ神地と天を造り給へる日に天地の創造られたる其由来は是なり。 創世記、一名之を由来記又は伝の書(ふみ)と称〔い〕ふを得べし、之に天地創造の由来記、アダムの伝の書(五章一節)、ノアの伝(…

内村鑑三 創世記 第2章 洪水以前 安息日

3. 創世記第二章安息日〔第一節―第三節〕 (安息日の制定) 斯〔かく〕天地及び其衆群(しゅうぐん)悉(ことごと)く成りぬ、第七日に神其造りたる工(わざ)を竣(おへ)たまへり、即ち其造りたる工(わざ)を竣(おへ)て七日に安息(やすみ)たまへり、…

内村鑑三 創世記 洪水以前 天地の創造(2)

天地の創造(2) 第廿一節 神巨〔おおい〕なる魚と水に饒に生じて動く諸ての生物を其類に従ひて創造り、又羽翼ある諸ての鳥を其類に従ひて創造り給へり、神之を善と観給へり。 「巨なる魚」tanninim 巨獣、異形の動物なり、必しも魚類に限らず、或は長さ八…

内村鑑三 創世記 洪水以前 2.天地の創造

2 天地の創造 創世記1章2-31節 第二節 地は定形なく曠空(むなし)くして黒暗(やみ)淵の面(おもて)にあり、神の霊水の面を覆ひたり。 「地」、此堅き地、岩を以て骨となし、川を以て脉〔みやく〕となし、海を湛〔たた〕え、気を以て包まるゝ地球、週囲…

内村鑑三 創世記 洪水以前 1.万物の原始

洪水以前記 1.万物の原始 創世記第一章一節 1900(明治33)年9 月 元始(はじめ)に神天地を創造(つく)り給へり。 儒教の総ては学而〔がくじ〕の一節に籠り居るとは余の曾〔かつ〕て聞きし所なり、正当に之を解せば或は然るやも知れず、創世記は基督教聖書…

内村鑑三 創世記 虹の意味

虹の意味 大正11年9月10日 『聖書之研究』266号 署名内村鑑三 神言ひ給ひけるは、我が我と汝等〔なんじら〕及び汝等〔なんじら〕と共なるすべての生物との間に世々限りなく為〔な〕す所の契約の徴(しるし)は是なり、我れ我が虹を雲の中に起さん、是れ我と世…

内村鑑三 創世記 ノアの大洪水(2)

其七 ノアの大洪水 創世記 第六―第九章 (二) ○現代人は万事を天然的に見る、古代人は万事を信仰的に見た。現代人に奇跡はなく、古代人には万事が奇跡であつた。現代人は万事を直接原因に由て説明せんと欲し、古代人は之を第一原因にまで運んだ。二者孰〔いず…

内村鑑三 創世記 ノアの大洪水(1)

其六 ノアの大洪水 創世記 六章より九章まで 1930(昭和5)年1 月 (一) ○ノアの大洪水に就ては四章に渉〔わた〕り創世記に記載せらる。其内どれ丈けが歴史的事実である乎、之を確定する事が出来ない。其内に今日の常識を以つてしては事実として受取り難い事が…

内村鑑三 創世記 ノアの洪水

ノアの洪水 創世記六章より八章まで、馬太〔マタイ〕伝廿四章三七―三九節、 路加〔ルカ〕伝十七章二六、二七節、彼得〔ペテロ〕後書三章三―一三節 大正7年7月10日 『聖書之研究』216号 署名内村鑑三 ○ノアの洪水は歴史的事実である、是は曾〔かつ〕て有りし…

内村鑑三 創世記 アダムよりノアまで 創世記第五章

其五 アダムよりノアまで 創世記第五章 創世記の研究 1930(昭和5)年1 月 ○路加〔ルカ〕伝第三章はイエスの系統を掲げ、ノア以前の先祖を列記して曰〔いわ〕く ノア、其父はラメク、其父はマトサラ、其父はエノク、其父はヤレド、其父はマハラレル、其父はカ…

内村鑑三 創世記 アベル族とカイン族

アベル族とカイン族 大正11年4月10日『聖書之研究』261号署名内村 アベル族とカイン族 信者に二種ある、アベル型の信者とカイン型の信者と是れである、 アベル型の信者とは創世記四章に於〔おい〕て示さるゝが如〔ごと〕くに羊の初生(うひご)を供物(そな…

内村鑑三 創世記  カインとアベル

其四 カインとアベル 創世記四章一―一六節 創世記の研究 1930(昭和5)年1 月 ○聖書の此所〔ここ〕を読み誰にも起る問題は、神は何故(なぜ)アベルの供物(そなへもの)を受けてカインのそれを斥〔しりぞ〕け給ひし乎。二人共に己が従事せし産業(なりわい)の…

内村鑑三 創世記 人類の堕落と最初の福音

人類の堕落と最初の福音 (五月十一、十八日) 創世記第三章の研究 大正8年7月10日 『聖書之研究』228号 署名 内村鑑三 述藤井武筆記 創世記第三章の記事は興味ある物語(ものがたり)なるも其中に我等各自の信仰と深き関係を有する大なる真理あるなしとは近世人…

内村鑑三 創世記 人類の堕落

人類の堕落 創世記第三章 1930(昭和5)年1 月 ○園の中央に二種の樹があつた、生命の樹と善悪を知るの樹があつた。前者を食へば生き、後者を食へば死すとの事であつた。そしてアダムとエバとは人類を代表して、蛇に欺かれて生命の樹を斥〔しりぞ〕けて知識の樹…

内村鑑三 創世記 女の創造

女の創造 創世記研究 附録 創世記二章一八節以下 1930(昭和5)年1 月 ○神は人を男と女とに造り給へりと云ふが第一章の教である。神は先づ男を造り、男より女を造り給へりと云ふが第二章の示(しめし)である。第一章に依れば男女は同等であつて、第二章に依れ…

内村鑑三 創世記 エデンの所在地

エデンの所在地 (此篇を読むに方て成るべく精細なる西部亜細亜の地図を参照するを要す。) 創世記二章八―一四節の研究 昭和2年9月10日 『聖書之研究』号326 署名なし ○聖書は宇宙並に人生に関する大問題を提出する。其他に又多くの地理学上並に歴史上の大問…

内村鑑三 創世記 人の創造

人の創造 創世記第二章 (創世記の研究1930(昭和5)年1 月) ○西洋の聖書学者は曰ふ、創世記に二つの天地創造記がある、第一章と第二章とがそれである。二者は別個の記事であつて、其間に何等の関係あるなく、編者はたゞ出処を異にする二個の記事を綴合(つづ…

内村鑑三 創世記 アダムの創造

アダムの創造 昭和4年7月10日 『聖書之研究』348号 署名内村鑑三 創世記第一章、二章 ○創世記に於〔おい〕て人間の創造に関する記事が二箇(ふたつ)ある。其一はエロヒム系の記事であつて、第一章の終りより第二章三節までの記事である。即ち神は御自身の像…

内村鑑三 創世記 宗教と科学

宗教と科学 創世記第一章の研究 大正8年3月10日、4月10日 『聖書之研究』224・225号 署名内村鑑三述藤井武筆記 〔其一〕(一月五日) 宗教と科学との関係殊に創世記第一章の研究は我国に於ても今より三四十年前には基督信者の最も興味を有したる問題であつた、…

内村鑑三 創世記の研究  (天地の創造)-Ⅰ

創世記の研究(天地の創造)-Ⅰ 昭和5年1月10日・2月10日・3月10日『聖書之研究』354・355・356号 署名内村鑑三 其一天地の創造創世記第一章 ○西洋の神学者は曰〔い〕ふ「創世記第一章はヒブライ人の天地創造説である、其価値はそれ丈〔だ〕けである、それ以上…

内村鑑三 創世記 造化の教訓

造化の教訓 創世記第一章の精神(一月十八日柏木聖書講堂に於て為せる講演の大意) 大正3年2月10日 『聖書之研究』 163 号 署名内村鑑三 創世記1章1-31節 一、太初(はじめ)に神、天地を造り給へり。 聖書は人類救済の歴史である、神が人を造り、之を完成(…

内村鑑三 創世記 1章1節(2)

創世記一章一節(2) GENESIS I : 1. 大正8年1月10日『聖書之研究』222号署名なし GENESIS I : 1. “In the beginning God created the heaven and the earth.” The universe had a beginning, it will have an end ; it, after all, is a time-phenomenon. …

内村鑑三 創世記 第1章第1節(1)

創世記第一章第一節 (1) (一九一九年一月一日東京基督教青年会々館に於て述べし所) 大正8年1月10日『聖書之研究』222号 署名内村鑑三 ○ 「元始(はじめ)に神天地を創造(つく)リ給へり」、実に偉大なる言辞(ことば)である、之にまさるの言辞は天上天下他に…

内村鑑三 創世記 創世記大意

創世記大意 ○創世記は創成記又元始録である。天地の元始(はじめ)、人類の元始、罪の元始、救拯(すくい)の元始(はじめ)、文明の元始、国民の元始、選民の元始に就て記(しる)す書である。是が聖書の首(はじめ)に置かるべきは勿論である。聖書各書の…

内村鑑三 創世記 聖書大意

〔聖書大意〕 大正15年11月10日―昭和2年12月10日『聖書之研究』316―329 号署名内村鑑三 聖書大意 汝〔なんじ〕の言〔ことば〕は真理(まこと)なり(ヨハネ伝十七章十七節)。 山未〔いま〕だ生(なり)出(いで)ず、地と世界とを造り給はざりし時、永遠より…