2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

内村鑑三 ヨブ記の概要 第5章 ヨブ記42章

第5章 約百記四十二章(六月二十七日) ヱホバは大風の中よりヨブに対し或は獰猛(どうもう)強力なる河馬の御(ぎよ)し難きを以て、或は鰐(わに)の怖る可き等の例を以て種々語を尽して宇宙の荘厳を説き彼をして其統御の困難を知らしめんとした。勿論河馬も…

内村鑑三 ヨブ記の概要 第3,4章

約百記三、四章(六月六日) 約百記は全体の結構(けっこう)より之を一の劇(げき)として観る事が出来る、而も此劇たるや外面の劇でなくて内側(うちがわ)の劇である。未だ之を劇に演じたる者あるを聞かぬが、思ふに如何なる名優と雖どもヨブを演じ得る程の…

内村鑑三 ヨブ記の概要 第1,2章

約百(ヨブ)記の概要 大正4年9月10日 『聖書之研究』182号 署名内村鑑三述 中田信蔵記 約百記一、二章(五月三十日) 内村生曰〔い〕ふ、此稿は前号に掲げし約百記研究の講演を別人の手を以て筆記した者である、約百記の如〔ごと〕き大著述を学ばんと欲するに…

内村鑑三 ヨブ記の研究 第5回

第五回(六月二十七日) 第四十二章 前回に述べました通りヨブの三友の言に一面の真理はありますけれども、之れ丈けでヨブに臨んだ災難の総〔すべ〕てを解決することは出来ません、是に於て青年エリフは飛入り演説をしましたが之れとてもヨブの心を平和にせし…

内村鑑三 ヨブ記の研究 第3回、第4回

約百記の研究 大正4年8月10日 『聖書之研究』181号 署名内村鑑三述 坂田祐筆記 第参回(六月十三日) 第三章―第三十一章 前述の如く約百記は六の部分に明かに区分することが出来ます、今日述ぶる所は第二及び第三の部分であります、即ちヨブ対三友人の議論とヨ…

内村鑑三 ヨブ記の研究 第2回

約百記の研究 ヨブ 大正4年8月10日 『聖書之研究』181号 署名内村鑑三述 坂田祐筆記 第弐回(六月六日) 約百記は長編であるから普通に講義せば二年も三年もかゝります、併し此度は研究と云ふよりも寧〔むし〕ろ大体の御話であります、大体の要点が解かればあ…

内村鑑三 ヨブ記の研究  第1回

内村鑑三のヨブ記の研究は聖書注解全集の第4巻目に当たる。 その構成は「ヨブ記の研究(1)」と題して5回に亘って全体像を述べて行く。 次いで「ヨブ記の概要」と題して、これも5回に亘っての講演であるが、先の「研究」は 坂田祐氏の筆記であり、「概要」は他…

内村鑑三「聖書注解全集」ブログシリーズ

2012年の5月から「ロマ書の研究」の全編の掲載を初め2013年の8月に終了し、次いで「マタイ伝」を掲載して2014年2月に掲載し終わった。 これらは、内村鑑三の「聖書注解全集」よりの転載であるが、その原本は 「内村鑑三全集(全40巻2001年版)」にある。この全集…

内村鑑三 マタイ伝 71講 バプテスマの目的

71 マタイ伝 バプテスマの目的 バプテスマの目的 四月廿二日埼玉県和戸教会に於て 明治39年6月10日 『聖書之研究』76号「講演」 署名なし 是故に汝等ゆきて万国の民にバプテスマを施し、之を父と子と聖霊の名に入れて弟子とし。馬太〔マタイ〕伝廿八章十九節…

内村鑑三 マタイ伝 70講 復活の記事   馬太伝二十八章

70 マタイ伝 復活の記事 馬太伝二十八章(四月四日柏木に於て) 今や復活祭を迎えて欧米基督教諸国に於ては盛に之を祝へども、而かもこれ唯〔ただ〕古来の慣習(かんしゆう)たるに止まりて、聖書の示す基督の復活を信ずる者の如きは極めて稀(まれ)であつて…

内村鑑三 マタイ伝 69講 基督の死状(しにかた)に就て

69 マタイ伝 基督の死状(しにかた)に就て 基督の死状に就て 明治39年9月15日 『聖書之研究』79号「雑録」 署名なし 彼がエリ、エリ、ラマ、サバクタニの声を発し給ひし理由。馬太伝廿七章四五―四九節。 是れは過ぐる八月、越後国柏崎町に於て開かれたる教友…