2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ロマ書を終わって、

ロマ書を読了して、60講より、 「彼は、かく常に注意しておのれを隠して、神とキリストとをあらわさんとした人であつた。ゆえに、ロマ書を讀みて、彼の姿がかなり強く見ゆるとはいうものの、それにも増して --しかり、幾十倍も増して -- 強く見ゆるもの…

ロマ書の研究第60講

第六〇講 ロマ書 大觀 すべて書物を讀みたる後において忘れ得ざるものは大体の印象である。もちろんその中の重要なる個處もまた忘れがたきものではあるが、最も強く長くわが心に留まるは、その全体の空氣である。あだかも百花咲きにおう春野を逍遙せし後にお…

ロマ書の研究第59講

第五十九講 終結 頒榮の辭 十六章二五節以下 幾たびも終わらんとして終わらなかつたロマ書は、いよいよここに最後に達した。十六章二十五節以下は、この大書簡の最後を飾るにふさわしき大贊美である。 ロマ書は偉大なる書簡である、そして劈頭(へきとう)の…

ロマ書の研究第58講

第五十八講 パウロの友人録 十六章一 ~ 二四節 パウロは自己の傳道計畫を説明して第十五章を終えた。そしてその最後に「平安の神、なんじらすべてと共にいまさんことを願う。アァメン」と、あたかもこの大書簡を結ぶがごとき一語を下した。彼はこの時はもう…

ロマ書の研究第57講ー訳説

第五十七講 約 説 パウロの傳道方針(十五章十四 ~ 三三節の解譯) 兄弟よ、私はここに長々と、福音の實理とその應用について諸君に書き贈つた。しかしながら、これ決して諸君が愛と知識とに不足してゐると思うたからではない。私は、諸君が慈愛に滿ち、す…

ロマ書第57講

第五十七講 パウロの傳道方針 十五章十四節以下 第十二、十三章をもつて一般的の實践道德(じっせんどうとく)を説き、十四章よりローマ敎会特有の問題に入つたこと、前述せるとおりである。そしてパウロは、後者のために、十五章十三節までを用いて、熱心に…

ロマ書の研究第56講

第五十六講 小問題の解決 十四章以下の精神 ロマ書は第十三章までをもつて、福音に關するたいせつなる問題は説き終えたのである。個人はいかようにして救わるべきか、人類はいかようにして救わるべきか、人はクリスチャンとして、道德的にいかなる行爲をなす…

ロマ書の研究第55講

第五十五講 日は近し 十三章十一 ~ 十四節 十三章の十一節以下は、世の終末、キリストの再臨、信者の復活榮化等の大問題に觸るる重要なる個處である。十二章の一節より、パウロはクリスチャンの實践道德を提示し、まず對個人道德として謙遜と愛とを詳説し、…

ロマ書の研究第54講

第五十四講 キリスト敎道德の第四 社会の一員としての愛 十三章八 ~ 一〇節 パウロは十二章において愛の道を説き、その最後においては愛敵の勧めに入り、これに促されて、十三章においては政権服從の大義を唱道し、その終わりにおいて「なんじら、受くべき…

ロマ書の研究第53講

第五十三講 キリスト敎道德の第三 政府と國家に對する義務: 十三章一 ~ 七節 13:1 人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。 13:2 したがって、権威に逆らっている人は、…

ロマ書の研究第52講

第五十二講 キリスト敎道德の第二 愛(四) 十二章十九 ~ 二一節 12:19 愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。「復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。」 12:2…