2014-01-01から1年間の記事一覧

内村鑑三 創世記 モーセの五書

モーセの五書 モーセ伝研究の端緒(三月七日、今井館に於て) 明治42年4月10日 『聖書之研究』108号「講演」 署名内村鑑三 旧約聖書研究の必要 今の信者は、殊に日本の基督教信者は、旧約聖書を読むことが至て尠〔すく〕ない、彼等に取りては聖書と云へば新約…

内村鑑三 創世記 聖書大意

内村鑑三の「聖書注解全集」第一巻は「創世記」についての学びです。 聖書の学びを先ず旧約の初めの「創世記」に帰って学び直そうというわけで、 前回同様、内村鑑三全集四一巻からの転載であります。 〔聖書大意〕 大正15年11月10日―昭和2年12月10日『聖書之研…

内村鑑三 一日一生から

一日一生 内村鑑三 すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。彼は世にいた。そして、世は彼によってできたのであるが、世は彼をしらずにいた。彼は自分のところにきたのに、自分の民は彼を受けいれなかった。(ヨハネ伝1:9~11) イエスはその道…

誤解の恐怖   内村鑑三

誤解の恐怖 内村鑑三 『聖書之研究』242号 1920(大正9)年9 月10日 誤解せられざらん事は不可能である、此世は素(もと)より誤解の世である、故に如何なる真理、如何〔いか〕なる人たりと雖〔いえど〕も誤解せらるゝが当然である、 主イエスキリストが誤解せ…

内村鑑三 誤解と疑察

誤解と疑察 明治33年9月30日 『聖書之研究』1号「雑感」 署名なし 誤解に誤解に誤解に誤解、国は国を誤解し、政府は政府を誤解し、父は子を誤解し子は父を誤解し、兄弟相誤解し、友人相誤解し、此美はしき宇宙に棲息しながら誤解の暗霧の中に彷徨して憂愁の中…

内村鑑三の非戦論

この世が大分きな臭くなってきた。「平和憲法改正」とか「集団的自衛権」とかうるさくなってきた。有ってはならぬが、いざというときの備えは必要なのだろう。 かって内村鑑三は「非戦論」を強く訴えたが、彼の元に「徴兵拒否をしたい」と相談に来た青年に対…

憲法9条をノーベル平和賞に推薦しよう。

エペソ書 2-14^16 キリストこそ私たちの平和であり、二つのものを一つにし、隔ての壁を打ちこわ し、ご自分の肉に おいて敵意を廃棄された方です。敵意とはさまざまの規定から成 り立っている戒めの律法なです。このことは、二つのものをご自身において新し…

ヨブ記を読み終えて。

一週間に一度、1時間だけだが、同信の兄弟方とこの内村鑑三の「聖書注解全集第4巻ヨブ記を読み終えた。 内村はこれを自分の聖書と言って特に座右の書にしていたと聞いた。ヨブと同様に多くの苦難を受けて試みられた。それを自分の罪の所為だと彼は誤解して、罪…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第21講 ヨブの終末 (最終講)

第廿一講ヨブの終末 約百記第四十二章七節以下の研究(十二月十九日) ○雅各(ヤコブ)書第五章十一節に曰〔いわ〕く「汝等曾〔かつ〕てヨブの忍びを聞けり、主いかに彼に行(な)し給ひし乎〔か〕その終末(おはり)を見よ、即ち主は慈悲深く且つ矜恤(あわれ…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第20講 ヨブの見神(四)

第二十講ヨブの見神(四) 約百記第三十八章三十九節より四十二章六節に至るまでの研究(十二月十二日) ○次回を以て約百〔ヨブ〕記研究を終へんため今日は三十八章三十九節より四十二章六節までの大意を語らう、三十八章の一節より三十八節までは宇宙の諸現象の…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第19講 ヨブの見神(三)

第十九講ヨブの見神(三) 約百記第二十八章の研究(十二月五日) ○地の事、海を制する事、黎明〔よあけ〕の事を述べて其処〔そこ〕に神の力を見るは三十八章一節―十五節の骨子であつて前回の講演の主題であつた、今日は十六節以下について語らんとする、十六節…

内村鑑三 ヨブ記の研究 第18講 ヨブの見神(二)

第十八講 ヨブの見神(二) 約百記第三十八章の研究(十一月廿八日) ○第三十八章の一―七節は前講の主題であつた、造化の妙趣(みょうしゅ)の中に神を悟るべしと云ふが其根本精神である、七節には「かの時には晨星(あけのほし)相共に歌ひ、神の子ども皆歓びて…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第17講 ヨブの見神(一)

第十七講ヨブの見神(一) 約百記第三十八章の研究(十一月廿一日) ○余は約百〔ヨブ〕記の絶頂たる十九章を講じて後ち病を得 数回この講壇を休むの已〔や〕むなきに至つた、詩人バイロンは大なる天才であつたが三十八歳を以て此世を去つた、或人此事を評して彼…

内村鑑三 ヨブ記の研究 第16講 ゾパル再び語る

第十六講ゾパル再び語る 約百記第二十章の研究(十月二十四日) ○ヨブは十九章に於て大〔おい〕なる啓示に接して光明全心に漲〔みなぎ〕るに至り、今は友の上に優逸なる信仰の地歩を占むることゝなりて、今までは友に撃たれつゝありしに今は威迫を以て友に臨み…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第15講 ヨブ終に贖主を認む

第十五講 約百記第十九章の研究 (十月十日) ○論理整然たるビルダデの攻撃に会してヨブ答ふるに語なく、その悲寥〔ひりよう〕は絶頂に達して遂に友の憐〔あわれ〕みを乞ふに至る、これ十九章一節―二十二節である、一節―六節に於〔おい〕ては友に対する不満を…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第14講 ビルダデ再び語る

第十四講ビルダデ再び語る 約百記第十八章の研究(十月三日) ○第二回論戦はエリパズに依て開始せられ、それに対してヨブは十六章と十七章を以て報いた、されば此度はビルダデの語るべき場合となつたのである、彼はなか〳〵の学者である、頭脳明晰〔めいせき〕…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第13講 ヨブ答ふ(下) 遂に仲保者を見る

第十三講ヨブ答ふ(下) 遂に仲保者を見る約百記第十七章の研究(九月廿六日) ○約百〔ヨブ〕記第十七章の研究をなす前に於〔おい〕て以賽亜〔イザヤ〕書四十六章について一言所感を述べ度い、先〔ま〕づ一節、二節には左の如く記してある。 ベルは伏しネボは屈…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第12講 ヨブ答ふ(上) 終に仲保者を見る

第十二講ヨブ答ふ(上) 終に仲保者を見る約百記第十六章の研究(九月十九日) ○約百〔ヨブ〕記研究に先〔さきだ〕ちて一の所感を述べ度い、路加〔ルカ〕伝十七章二十節以下に神の国に関するイエスの教がある、パリサイ人の問に対しては主は「神の国は顕れて来る…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第11講 エリパズ再び語る

第十一講 エリパズ再び語る 約百記第十五章の研究(九月十二日) ○茲〔ここ〕に夏期休暇を終へて約百(ヨブ)記研究を再開するに至りしは我等の歓びとする所である、余は今年中又は来春までに於〔おい〕て約百記講演を完了せんと希図してゐる、これ講者に取り…

内村鑑三  ヨブ記の研究-2 第10講 再生の欲求

第十講 再生の欲求 約百記第十四章の研究(六月二十七日) ○第十二章より第十四章にわたるヨブの言〔ことば〕の中第十二章は前回に学びたれば、今回は第十三章について一言せしのち第十四章に就いて専〔もつぱ〕ら学び度いのである。 ○十三章に於〔おい〕ては…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第 9 講 神智の探索

第九講 神智の探索 約百記十一章、十二章の研究(六月廿日) ○我等の研究は次第に進みて今やヨブの獲たる最大真理に近よらんとして居るのである、此際特に約百〔ヨブ〕記研究全体について一言の注意をし度い、抑(そもそ)も約百記了解の困難なる理由の一はそ…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第 8 講 ヨブ愛の神に訴ふ

第八講 ヨブ愛の神に訴ふ 約百記第十章の研究(六月十三日) ○九章前半は友に対する語、後半は自己に対する語である、そして沈黙暫時の後ヨブは第十章の語を発して神に訴ふる処あつたのである、前述せし如〔ごと〕く九章前半の彼の語は友の神観の不備を指摘し…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第 7 講 ヨブ仲保者を要求す

第七講 ヨブ仲保者を要求す 約百記第九章の研究(六月六日) ○ヨブの友三人はヨブに臨みし災禍(わざわひ)彼の隠れたる罪の結果と誤断した、そして年長のエリパズ先づ之をヨブに覚(さと)らしめんとて第一回の勧告を試みしも徒労に終つた、之を見たる若きビ…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第 6 講神学者ビルダデ語る

第六講 神学者ビルダデ語る第八章の研究(五月三十日) ○第八章を研究する前に少し前講を補ふ必要がある、七章十七、八節の「人を如何〔いか〕なる者として汝〔なんじ〕これを大にし之を心に留め、朝ごとに之を看〔み〕そなはし時わかず之を試み給ふや」なるヨ…

内村鑑三 ヨブ記の研究ー2 第5講 ヨブ再び口を啓く

第五講ヨブ再び口を啓く第六章、七章の研究(五月二十三日) ○前にも説きし如〔ごと〕くエリパズ等は禍〔わざわい〕は罪の結果なりとの既成観念を抱き、この観念を以てヨブの場合を判定し以てヨブをして其罪を認めしめんとしたのである、彼等はかくしてヨブを…

神の国とその義

神の国とその義 10 マタイ6:33 だから、神の国とその義(神の義)とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えてこれらのものはすべて与えられます。 6:34 だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、…

内村鑑三 ヨブ記の研究ー2 第5講 ヨブ再び口を啓く

第五講ヨブ再び口を啓く第六章、七章の研究(五月二十三日) ○前にも説きし如〔ごと〕くエリパズ等は禍〔わざわい〕は罪の結果なりとの既成観念を抱き、この観念を以てヨブの場合を判定し以てヨブをして其罪を認めしめんとしたのである、彼等はかくしてヨブを…

内村鑑三 ヨブ記の研究ー2 第4 講 老友エリパズ先づ語る

第四講 老友エリパズ先づ語る 第四章、五章の研究(五月十六日) ○約百〔ヨブ〕記四章五章の記(しる)す所は第三章のヨブの哀哭(かなしみ)に対するエリパズの答である、エリパズ等三友人はヨブの不信的哀哭に接して彼等の推測の過(あやま)たざりしを知り…

内村鑑三 ヨブ記の研究-2 第3講 ヨブの哀哭(かなしみ)

第三講 ヨブの哀哭 約百記第三章の研究(五月九日) ○ヨブの哀哭〔かなしみ〕は約百ヨブ記の到る処にあれど、第三章はその哀哭の最初であり且〔かつ〕その最も代表的のものなるが故に此章の研究は甚だ有意味なのである。 ○さて此の章の研究に当り注意すべきは…

朝日新聞 5月3日社説からと、「非戦論」(内村鑑三)

(社説)安倍政権と憲法 平和主義の要を壊すな 2014年5月3日05時00分 国会の多数決だけで、憲法を改めることはできない。 憲法を改正するには、衆参両院の3分の2以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の承認を得なければならない。憲法96条が定める手続…