第六〇講 ロマ書 大觀 すべて書物を讀みたる後において忘れ得ざるものは大体の印象である。もちろんその中の重要なる個處もまた忘れがたきものではあるが、最も強く長くわが心に留まるは、その全体の空氣である。あだかも百花咲きにおう春野を逍遙せし後にお…
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