ふたりむつまじく

ふたりむつまじく

二人がむつまじくいるためには、おろかであるほうがいい

立派すぎることは、長持ちしないものだときづいているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい  完璧なんてふしぜんなことだと うそぶいているほうがいい


ふたりのうち どちらかが ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどう あとで疑わしくなるほうがいい


正しいことをいうときは 少しひかいめにするほうがいい 正しいことをいうとき相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい


立派でありたいとか 正しくありたいとかいう  無理な緊張には色目をつかわず ゆったり ゆたかに光をあびているほうがいい


健康で風に吹かれながら、生きていることの懐かしさに ふと胸が熱くなる そんな日があってもいい


そして なぜ胸が熱くなるのか黙っていても ふたりには わかるものであってほしい