風の中に立つライオン

風に立つライオンさだまさし

故郷ではなく東京の桜が
突然の手紙には驚いたけれど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう
 ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥が淵で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です
 
 
 主人公の医師は、ケニアのナイロビに赴任して三年。
 
日本に残した恋人から突然の手紙・・・。
 
 
 実は、この歌は、実話を元にしている。
 
宮崎県出身の柴田紘一郎という外科の先生がモデル。
 
 柴田先生は、さだまさしがまだアマチュア時代からの知人。
 
 柴田先生は、ある日突然、医者を志した。
 
 そのきっかけは、彼のおじいさんがある日くれた一冊の本。
 
「アフリカの父」 シュバイツァー博士の伝記だった。
 
すごいのは、志してすぐにそれを実現してしまう力を持っていたことです。
環境や能力や、条件が揃わないと実現できないのだが、柴田先生が
医者を志して医者になり、志してアフリカに飛んで現地の人助けに奔走する。
いくら志しても、能力的に、経済的に、環境的に許されない時には許されないと言うことを
長い人生の間で十分に思い知らされました。